尾鷲商工会議所 長期実践型インターンシップ・プログラム 第一期事業報告会
日時:2012年11月2日(金) 14:00〜17:00
会場:三重県立熊野古道センター 映像ホール
第3部:東紀州長期インターンシップ経験者(東紀州地域への、I/Uターン者)プレゼンテーション
立花 圭さん(紀北町観光協会/紀伊の松島にてインターン後、紀北町にIターン)
たちばな・けい/1985年岩手県生まれ・27歳。紀北町観光協会職員。米国州立ネブラスカ大学観光学部在学中(4年時)に、三重県北牟婁郡紀北町紀伊長島区古里の民宿「四季活魚の宿 紀伊の松島」にてインターン(2009年7月20日~11月20日)。2010年5月より紀北町観光協会に就職。
インターンシップに参加した経緯
こんにちは。紀北町観光協会の立花です。
今日は僕がどうしてこの地域に来て、ここに移住・就職するに至ったのかというところを少しお話したいと思います。
恐らく、今から発表する4名のうちで、客観的に見て僕が一番消極的というか、モチベーションは低かったんじゃないかな、という気がするんですが…(笑)。というのも、僕はアメリカの大学に留学していまして、インターンシップは必須だったんですね。卒業のためにインターンシップをしなければいけない、という環境の中で、まぁどこでも良かったんですけれども、たまたまここを選んで、結果として今、ここに居着いて3年目という。
じゃぁ、なんで普通の、そこまでモチベーションも高くなかったような学生が住み着いたのか、っていうような視点でお話できたらいいなと思っております。宜しくお願いします。
お配りした資料の中に、A4のレジュメが入っていますので、これを元に少しお話させていただきたいと思います。
まずはじめに、インターンシップに参加した経緯についてお話したいと思います。
故郷への思い、海外から見た日本の魅力
僕は元々、生まれは岩手県の釜石市で、幼稚園くらいまでは釜石市にいまして、小学校から高校までは埼玉県にいました。それで、高校を卒業して、アメリカに行ったんですけれども、やはり海外にいますと日本人って色々な質問をされるんですね。日本ってどんな国なのとか、君の両親はどんな生活しているのとか、日本ってどんな自然があって、どんな遊びをしているのとか、ものすごくたくさんの質問を受けるんですね。その中で、自分の中の答えとして日本の風景を思い浮かべた時に、やはり釜石で住んでいた時の記憶、小さかった時の記憶だとか、風景や食べ物といったものがすごく鮮明に思い出されたということが印象的だったんです。
そういうきっかけもあって、海外の目から見ると、日本というのは、自然…私の中の観点ですけれども、田舎とか地域の方にこそ魅力があるんじゃないかなと、そっちの方が海外の人から興味を得られるようなもの、共感を得られるようなもの・資源があるんじゃないかということに気付いてですね、インターンシップをするにあたって、日本の田舎で一度じっくりやってみようという思いがあって。インターネットで検索していたら三重県の紀北町にある「紀伊の松島」というところで伊勢エビしゃぶしゃぶを販売するというプロジェクトがありまして、そこに参加させていただくことになりました。
(写真を見ながら)こんな感じで、いろんな場でお前の国はどんなだと聞かれてたんですよ。その度に答えに困って、その時にいつも田舎の風景を思い浮かべていました。
これはちょっと先の話になるんですけれども、紀北町とか尾鷲市にもよく海外の方が来られるので、その時の経験を活かして、通訳したりもしています。
民宿「紀伊の松島」でのインターンシップ
これが、私がインターンした古里の中心部です。この地域では海があるのは当たり前なんですけれども、埼玉県とか大学があったネブラスカ州というのは内陸地で海が全くないものですから、こういう景色を見てすごく印象的だなと思いました。
これは、先ほどまでいらっしゃったんですが、紀伊の松島の大西さん、私の師匠ですね。それとお母さん、女将さんですね。ふたりが持っている伊勢エビを「伊勢エビしゃぶしゃぶ」というメニューにして販売している宿が、紀伊の松島なんです。この伊勢エビしゃぶしゃぶを、どうにかして販売数を伸ばしたいというのが、プロジェクトの内容でした。
インターンをしていたのは、3年前の2009年の7月から11月までで、伊勢エビが始まるのが10月〜11月くらいですので、それに合わせて2ヶ月間インターンをしました。
伊勢エビしゃぶしゃぶ、本当においしいので、また今年もやってますんで、ぜひ食べてみて下さい!
そういうことをしつつですね、田舎の宿を楽しむイベントとして、例えばお月見会をしたりだとか、夜店を開いたりとか、そういう田舎の中でもうひとつ、夜を楽しめるようなイベントを企画して、実施したりもしていました。
もうひとつ、古里地区での暮しを発信ということで、私が惹かれてきた田舎暮しの、こういうところが良いんだよとか、景色がきれいなんだよ、というところをブログで発信していました。
就職へ
それでインターンの時にですね、本当にたくさんの方にお世話になっていまして、紀伊の松島さんはもちろんですが、こういった周りの方々のサポートがあって、色んな人に相談を受けてプロジェクトを進めることができました。
それで、就職に繋がるんですけれども、僕は就職に関しては、最初は本当に紀北町で就職するとは考えていなかったんですけれども、この写真で言うと、上の段の左から2番目の方にですね、「紀北町には圭くんが必要だ」と言われて、ちょっとその言葉が胸に刺さってですね、就職を決めたんですね。
その経緯をじっくり話すにはちょっと時間が足りないので、それはまた交流会の時にゆっくり話したいと思います。
これはインターンシップの時につくったチラシです。ここにいる伊東さんのご指導のもと手書きポップ、筆字の書き方を習ったりして、本当にたくさんの方にお世話になって作ったものです。
現在のシゴト
それでは、今、どんなことをしているのかというと、こういう自然体験活動のインストラクターなんかを主にやっております。それだけじゃないんですけれども、私が紀北町で一番素敵だなと思ったのは、やはり自然の豊かさだったりとか、人の暖かさであったりというところなんで、その中で何かできるかってことを考えた時に、それを持っていない人からしたときの自然体験・自然の遊び方、海や川での遊び方というのを提供していこうということで、こういったプログラムを作ったりとか、イベントを企画したりしております。
これも自然体験プログラムで…これは釣り体験ですね。私も実は紀北町にきて初めて釣りをしたので、そんな人が教えるなって話なんですけど(笑)。まぁ、そういうレベルだからこそ、こどもたちと一緒に同じ目線で楽しめるということで、釣り体験などもプログラムしました。
これは紀北町でやっている祭りの写真の一部分なんですけれども、こういった形で、この写真に写っている方全員とお友達っていうくらい、地域の中の親交というか、交わりが強いところで、いろんな方にお世話になって、成長できるといのは、ひとつこの地域のインターンのいい部分ではないかと思いますし、そういうところに惹かれて、私はここにIターンしたんだと思います。
ちょっと将来的な話ですけれども、まぁ、都会から来て3年くらい経っているんですけれども、情報量の違いだったりというところをカバーするために、自分に何ができるのかというところはまだまだ、力不足の部分はたくさんあるんですけれども、これからも頑張っていきたいと思うので、宜しくお願い致します。本日はどうもありがとうございました。